形見の印鑑

印鑑イメージ

おばの遺品整理をしていた。
おばと言っても夫の母親の姉。なので、私とは全く血がつながっていない。
しかし、すごく仲良くさせてもらった。
子供が産まれる前からなぜかものすごくウマが合った。
なぜか二人で話が盛り上がるのだ。子供が産まれてから話題が止まらなくなるというわけでもなかった。
好きなものが似ていた。好きな色も好きな柄も好きな感じも好きな人も。
同年代でも一人いるかいないかだと思う。
趣味やセンスが合う人。
それが、親子ほどの年齢の差があるので不思議ではあった。

そのおばがころりと亡くなった。
ものすごく悲しくて、泣いた。
親戚の少ない私にとって初めて経験する強い悲しみだった。
その、おばの遺品からひとつ形見として持って行ってほしいと言われた。
印鑑をみたときにこれが欲しいと思ったが遠慮した。

印鑑は苗字が私とは違う。きっと娘さんや息子さんなら使ってあげられるはずだ。
なので、ポーチにした。
しかし、私はあの印鑑が忘れられなかった。
鮮やかできらびやかなグリーンだった。
グリーン一色だった。
ただ、どこで買ったのか全くあの色は見つからなかった。

おばは車を運転しなかったので、近所のハンコ屋かもしれないと叔母の家の近くのハンコ屋を探すと移転していた。
移転先に足を運ぶと、グリーンの印鑑を見つけた。
しかし、書体を見てくるのを忘れた。
私は少しなやんだ。
もう一度行って、見せてもらってから作ろうか。私は悩んだ末に、はんこ屋の店員さんに書体を見せてもらった。
書体の見本を見た瞬間、これがいい!と決めた。
そう、きっとおばも言ってくれてるに違いない。私もそれがいいと思っていたの。と。

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